ちょっと真面目な話から。 今話題の素材「生分解性ポリエステル」普及に向けて 2。アパレルブランド「wmg.」
2021-06-20前の投稿は主に「素材」その物がメインのお話。今回はこの素材の分解特性ではなく、単純に「良いアパレル素材」として”感性””ファッション性”がメインの”ブランド”が採用したお話しになります。
CONCEPT
「Designability of daily function.」 日々の機能のデザイン性、人や地球に考慮した機能素材で、日常生活にほんの少しの驚きと嬉しさを与えライフスタイルをほんの少し豊かにするお手伝いをする服を提案します。
wmg.(ダブルエムジードット)
ブランド名には一つ一つに意味が込められています。
W にはWomanly 女性的 Wonderment 驚き
M にはMasculine 男性的 Modernism 現代主義
g にはGender 性別 Garment 衣服
そしてWとMはジグザグで繋がることで女性と男性の境をなくした多様性を表現しています。
有)ゴーティー 代表 坂寄順子
2021年。時代に合わせ、リニューアルで再発進したドメスティックモードのメゾン系ブランドです。新たなアトリエは”東京のブルックリン”として注目の街「蔵前」のタイガービルヂング。
自分たちの年代には「同潤会アパート」に存在したDCブランド初期のもつ、あの独特な空気「かっこよさ」を感じます。
東京でこの空気感が残る場所はもう本当に少なくなってきています。
良い物はやはり良いんです。
デザイナーの坂寄順子さんはパタンナー出身のデザイナーなのでご自身で1から服を作る事が出来る方。彼女の作品(商品)には他に無い個性があり、私自身大変リスペクトしています。古くから分業化が進んだアパレル業界では実はパターンメイクまで出来るデザイナーは意外に少なく、才能あふれる希少な存在です。坂寄さんのプロフィールはこちら。
写真:wmg.ホームページLOOKSより。
men JACKET / ¥48,400 taxin
men PANTS / ¥20,900 taxin
women COAT / ¥38,500 taxin
women T-SHIRT / ¥11,000 taxin
women SKIRT / ¥28,600 taxin
今回のコレクションは1サイスでユニセックス。とても「今」な提案です。(gender-free)
又、以前から機能素材を取り入れたコレクションを発表してきたさかよりさん。今回wmg.のスタートに合わせ、話題の「堆肥分解ポリエステル」を使った作品も発表しました。
写真:wmg.ホームページLOOKSより。
T-SHIRT / ¥26,400 taxin
SKIRT / ¥33,000 taxin
取材記事 : fashionsnap.com / 繊研plus
「サカヨリ」手掛ける坂寄順子が新ブランド立ち上げ、サステナブルな機能素材を採用
今回wmg.で採用されたこの「堆肥分解ポリエステル」を使用した生地(上写真のスカート)は、縦糸に超長綿を使用したオックスフォード地。ポリエステルとコットンで織られた生地(いわゆるTC)としては想像の遥か上を行く柔らかさと予想していた以上の風合い、肌触り感があります。この”超長綿”は、繊維が細くとても長く、大変しなやか。なので一般的なコットンよりも吸水性、速乾性に優れています。したがってポリエステルと組み合わさったTCとなる事で、よりその機能を発揮します。そしてそのポリエステルが「堆肥分解ポリエステル」。
またこの生地はセルビッチデニムを得意とする日本の幡屋さんの古い織機で織られており、古い織機ならではの趣のある表情もしっかり出ています。この生機は前で説明した企業(V&AJAPAN)様へ超長綿入手と織が出来る先をセットアップして開発しました。
”超高機能、高級TC”そんなジャンルは今までに無い新しい試みでもあります。